水曜日の朝一。チャンフー中学校8年生は、前回やる気がなさ過ぎて、カウンターパートの先生を怒らせてしまいました。。。
でもしょうがない気もするんです。
学校によって違いますが、語学は2時間か3時間。
私が担当している学校は2時間の場合も3時間の場合も、1回しか休憩時間がありません。
つまり、2時間ぶっ続けで勉強して、10分休んでまた1時間勉強するんです。
これは「日本語大好き!」っていう子でもちょっとつらい。


1

前回、先生は黒板に動詞の「ます形」と「て形」をひたすら書いて、生徒に丸暗記させようとしていました。
…で、先生が読み上げている最中に、生徒がだらっとしてしまって…という状況でした。
気を取り直して、今日はスライドにしたようです。
でも黒板に写すかスライドに写すかで、生徒は読み上げるだけ(そして黒板がこれ以上動かせないので見えない^^;)。
これで「生徒はできないです」と言われるのもちょっとかわいそうだ。


ちょうどここで2時間経過。
同期の子が「10歩引いて」って思い出させてくれたけど、引いてられないでしょー!ってことで、カウンターパートの先生に直談判。


私:「歌とゲームをしたいです」


短い休み時間の間にカウンターパートの先生に歌を紹介して、ビンゴゲームの方法も説明しました。


先生:「私、歌は分からないので夕顔先生お願いします。ビンゴは前に別の学年でやったけど盛り上がるのでいいと思います」


よし。…というわけで、休み時間に“London bridge”の歌を黒板に書いておきました。
実は休み時間の直前に机間巡視していた際、すごくできる生徒に「この歌知ってる?」って2パターン歌ってみたら(もう1つは“Santa Claus is coming to town”のバージョンです)、“London bridge”のほうに反応したので、こっちでやることにしました!


休み時間終了後、カウンターパートの先生がベトナム語で紹介してくれました。
何を言っているのかわからなかったけど、「夕顔先生が歌を教えます」的なことを言ってくれたのだと思います。
「じゃ、夕顔先生、お願いします」…ということで。


「“London bridge”の歌、知っていますか?知っている人、手を挙げてください」
…で、手を挙げてくれた生徒が5人いたので、休み時間に歌っていた子に歌ってもらいました。発音きれい…!
いや、私も「英語の発音いい」って言われたし!(…中学生と張り合う私^^;)
…ということで、「先生 歌います。みなさん 聞いてください」で歌って、
「みなさん、いっしょに 歌ってください。最初だけです」
と言ったのに、全員最後まで歌ってくれました。
あれ?みんな知ってるじゃん^^;


2

2 - コピー

…というわけで、前の時間にカウンターパートの先生が書いた黒板の文字を使って、「て形の歌」を披露。
(写真を撮る前に消されてしまったので、手書きしました^^;)
歌い終わった後の生徒の「おぉー」が、「先生歌うま~い!」的な感嘆符がつくほうじゃなくて、「歌で覚えることができるんだ~」的な息を飲む感じだったのが印象的。
クラスによっても違うけど(チューバンアン中学校の8年生はもっと元気に楽しんでくれる)チャンフー中学校の8年生は物静かな子が多くて、大人びている感じ。
このクラスではドラえもんの歌とか歌っても、しーんとなりそうな、そんな感じだったのですが、あぁ、こういう知的な(?)アプローチをしていけばいいのね?ってわかりました。


何度か練習して、みんな覚えてくれたっぽいので、
「この後 ゲームをします。みなさん 覚えます。勝てないですよ?」
(日本語が変なのは承知ですが、「覚えないと勝てませんよ」だとたぶんわからない)
と言って、ビンゴゲームを紹介。


3

9月16日に紹介した「て形」ですが、授業では2パターンのゲームを考えていました。

案1.ボールを使ったゲーム(生徒が教室内を動くスペースがある場合)
① 教師が黒板に動詞の「ます形」を書く。
(例:書く、読む、立つ、座る、開ける、閉める、見る、話す、貸す、行く、来る、する、取る、教える、勉強する、帰る、泳ぐ、飲む、浴びる、起きる、寝る、言う、上げる、待つ、走る…の「ます形」)
② 教師は生徒の一人にボールを渡す。
③ ボールを渡された生徒は、黒板に書かれた「ます形」の動詞と、「て形」を順に言って、別の生徒にボールを渡す。
④ ③を、黒板の動詞がなくなるまで続ける。同じ動詞は不可。

案2.4×4マスビンゴ(生徒が教室内を動くスペースがない場合)
① 教師が黒板に動詞の「ます形」を書く。
(例:案1.の例と同じ)
② 生徒はノートに4×4のマス目を描き、教師が黒板に書いた「ます形」のうち、16個を選んで1つずつマス目の中に入れる。
③ 教師が動詞の「て形」を言う。
④ 生徒は教師が言った動詞の「ます形」に×をつける。
⑤ 生徒は×が縦か横か斜めに4つ並んだら、「ビンゴ」と言う。
⑥ 全員で×が並んだ4つの動詞の「て形」をもう一度言って確認する。


本当は案1.をやりたかったのだけど、スペースの関係で断念。
…ということで、ビンゴゲーム開催!


3.5

4

授業はカウンターパートの先生に任せて机間巡視していましたが、黒板の動詞を写すだけにしたせいか、一人以外みんなノートに書いてくれました。
そしてダントツの速さでビンゴしたのが物静かな男の子。
すごくできる子なのですが、「わかる人」と言ったら挙手してくれるけど、「発表したい人」と言ったら遠慮してしまうような、そんな子です。
ビンゴしたのでカウンターパートの先生が賞品のシールをあげて、再スタート。
もう1つ「ます形」の動詞を言ったら…また同じ子がダブルビンゴしました~!!
ほかの追随を許さず。ほかの生徒の「えぇ~!?」の声を聞いて、笑いが止まらなくなったようです。この子が笑うの、初めて見たかも~^^


5

6

もう1つ2つ言ったらリーチの子が増えてきて、盛り上がってきました!
4人ビンゴしたところで、終了のチャイムが鳴りました。
このうち3人は日本語が得意な子だったのですが、そうではない子も1人いて、両手をあげてアピールしていました^^
シールをもらえる子はいつも限られた子たちなので、こういう機会を作ってあげると頑張ってくれるかも♪
チャイムが鳴ったらいつもはすぐにかばんに教科書をしまう生徒たちですが、今日は「先生、もう1つ!」の声が上がります。
いつもとは逆に、日本語ができる子がビンゴ出来ていません。
カウンターパートの先生が「最後!」と言って、何人か追加でシールをもらうことができました。


うん、楽しく学ぶのがいちばんだよね~^^